はじめまして、<こと> です。
理学療法士として、運動やストレッチ、食事と幅広い分野を発信していきます。

うー足が攣る、足がむくんでいるよ、、、

足が攣ることや夜になるとむくんでしまうことは下腿三頭筋が原因となっていることが多いよ!
今回は下腿三頭筋に着目して話していこうかな
長時間歩くと疲れてしまう部分、よく足が攣ってしまう部分、むくんでしまう部分、それが下腿三頭筋.
下腿三頭筋=ふくらはぎ とも言い「ふくらはぎ」は聞きなれていると思います.
自分も夜寝ているときに足が攣ることがよくありました.
これは下腿三頭筋の硬さからきているものなのです.
今回は、「下腿三頭筋」について説明していきます.
この記事は以下のような方におススメです.
- 下腿三頭筋を鍛えたい
- 下腿三頭筋の柔軟性を改善したい
- よく足が攣る、むくむ
この記事を読むことで、下腿三頭筋の筋トレやストレッチについて理解でき、身体のコンディション調整に役立っていきます.
下腿三頭筋~解剖生理~
下腿三頭筋は「腓腹筋」と「ヒラメ筋」に分けられます.
それぞれの起始、停止、作用、役割をみていきましょう.
腓腹筋

腓腹筋
- 起始:(外側頭)大腿骨外側上顆
(内側頭)大腿骨内側上顆 - 停止:アキレス腱になり踵骨隆起後面の中部
- 作用:足関節底屈、踵の挙上、膝関節屈曲
- 役割:前方や上方への推進力、瞬発的な動き
画像を見てわかるように、腓腹筋は大腿骨(膝上あたり)からアキレス腱までついていますね.
内側頭と外側頭に分けられており、内側頭の方が筋量が多くなっています.
つまり、膝の曲げたり伸ばしたりすることで腓腹筋の張力も変わってきます.
伸びきっている状態だと腓腹筋は張るようになります.
腓腹筋のみを狙いたいと考えているなら、膝を伸ばした状態で鍛えると効果的ということがわかります.
ヒラメ筋

ヒラメ筋
- 起始:腓骨頭と腓骨後面、脛骨のヒラメ筋線と内側縁、腓骨と脛骨間のヒラメ筋腱弓
- 停止:アキレス腱になり踵骨隆起後面の中部
- 作用:足関節底屈、踵の挙上
- 役割:足部・足関節の安定化、持久的な動き
ヒラメ筋は腓腹筋と違い下腿骨(膝下)からアキレス腱までとなっています.
つまり、ヒラメ筋は膝を曲げたり伸ばしたりしても、ヒラメ筋の張力には影響しないことがわかります.
ヒラメ筋を狙うのであれば膝を曲げた状態で鍛えると腓腹筋の作用を減らし、よりヒラメ筋を鍛えることはできます.

下腿三頭筋を見ると2つに割れている人見ると思います
「腓腹筋」が「ヒラメ筋」よりも表層にあり、腓腹筋を良く鍛えている証拠ですね、羨ましい笑
下腿三頭筋~鍛え方~
今回、大事になってくることはどちらの筋にもある「足関節底屈」の作用です.
足関節底屈とは爪先を下に押し下げる動作のことを言います
(車のアクセルを踏む動作や爪先立ちになる動作とも自分は言うこともあります)
カーフレイズ

画像のような、鍛え方(踵上げ)をカーフレイズといいます.
まず①と②の違いは初期位置の違いです.
②の位置から始めると、踵を挙げる距離も増えるため、負荷量は増えていきます.
②のように段差となるものを使用したり、家の段差や階段で足の半分を外に出し、行うこともできます.
他にも初期位置を変える以外にも
- 踵を上げる速度の調整
- 片脚立ち
- 膝を曲げた状態、伸ばした状態 (膝を伸ばす→腓腹筋、膝を曲げる→ヒラメ筋)
- 爪先の方向
など、負荷量の調整方法はたくさんあります.
自分の足りない部分や必要な要素を考え試していきましょう.
爪先の方向による違い
先ほど、爪先の方向で負荷量が変わると書きましたが、詳しく説明していきます.
※膝は伸びている(腓腹筋)と想定してください.

①爪先を前に向ける
オーソドックスなやり方で、これは腓腹筋全体に効きます.
②爪先を外に向ける
これは腓腹筋の内側頭をより効かせることができます.
③爪先を内に向ける
これは腓腹筋の外側頭をより効かせることができます.

腓腹筋でも歩行の加速時には外側頭よりも内側頭で筋活動量が増大,歩行速度が速い加速時にはさらに筋活動量が増大することが明らかとなっています1).
下腿三頭筋~ストレッチ~
ふくらはぎが硬いと、、、
下腿三頭筋(ふくらはぎ)は「第2の心臓」と呼ばれています.
下半身に70%もの血液が流れ、心臓まで押し戻す重要なポンプ作用があります.
ふくらはぎが硬いこと、筋力がないことはポンプ作用を弱めることになります.
具体的には硬さが原因で足が攣ってしまうこと(こむら返り)や筋力低下が原因で足がむくんでしまうことなどがあります.
悩まされる方も多いと思いますが、ふくらはぎのストレッチを行うことで柔軟性が改善され、こむら返りやむくみから解放されるでしょう.
今回は下腿三頭筋だけに絞ってストレッチを紹介していきます.
ふくらはぎストレッチ

①筋膜リリース
- 両足もしくは片脚を筋膜ローラーの足首に乗せ、手を後ろにつける.
- 腰を持ち上げ、身体を前に移動させてふくらはぎで転がす.
②アキレス腱伸ばし
- 爪先は正面を向けて片方の足を後ろに引く.
- 前の足の膝を軽く曲げ、上体を前傾させる
※両足とも踵は床につけた状態をキープ
③座った状態でふくらはぎ伸ばし
- 椅子に浅く座り片方の足を伸ばし、もう片方は曲げた状態にする.
- 伸ばした方の爪先を上げる.
- 上半身を真っ直ぐ立てたまま前傾
- さらに上半身を伸ばした足側にひねる.
まとめ
今回のまとめは以下の通りです.
- 「下腿三頭筋」=「ふくらはぎ」=「腓腹筋」+「ヒラメ筋」
- 鍛え方は「カーフレイズ」がおすすめ!
膝を曲げた状態→ふくらはぎ、膝を伸ばした状態→腓腹筋へアプローチ
爪先の位置で筋のアプローチをより選択的に - ふくらはぎのストレッチでこむら返りやむくみの改善へ!
推進力の「腓腹筋」、安定性の「ヒラメ筋」どちらを求めるかで鍛え方も変わります.
また、ストレッチはどの部位も実施して損はないです.
特に第2の心臓と呼ばれるだけあるので下腿三頭筋の重要性は理解できると思います.

重要なことはバランスよく鍛えることです.
寝ながら、座りながら、立ちながらできるストレッチをそれぞれ1つずつ持っておくことであらゆる場面でも対応できます.
手札を増やしていきましょう!
ご覧いただき、ありがとうございました。
ご意見や投稿してほしいことの依頼等いつでもお待ちしております。
参考文献
奈良 勲:標準理学療法学・作業療法学 専門基礎分野 解剖学 第4版
1)岡山 裕美 大工谷 新一:歩行の加速時における腓腹筋の内側頭と外側頭の筋活動の違い.理学療法科学,2019,499-503