はじめまして、<こと> です。
理学療法士として、運動やストレッチ、食事と幅広い分野を発信していきます。

最近は筋トレにタンパク質は不可欠って聞くけどたくさん摂ればいいの?

タンパク質を摂ることはもちろん大事だけど、摂取タイミングや摂取量は大まかに決まっているから説明していくね
皆さんは1日にタンパク質はどのくらい摂っていますか.
タンパク質は筋トレをする上で聞かない人はいないと思います.
しかし、ただタンパク質をたくさん摂れば筋肥大が見込めるというわけではありません.
タンパク質にももちろんいくつか種類があり、1回の摂取量も限界があります.
そこで今回は「タンパク質」について説明していきます.
この記事は以下のような方におススメです.
- タンパク質を詳しく知らない
- タンパク質をたくさん摂りすぎている
- BCAAについて知りたい
この記事を読むことで、タンパク質の分類や必要量を理解できます.
タンパク質

概論
- 構成成分としてアミノ酸がある
- アミノ酸が鎖状に多数連結してできた高分子化合物のことをタンパク質
- 食事を摂取することでタンパク質は消化・吸収後にアミノ酸として血中に取り込まれ筋細胞内に運ばれる
- 骨格筋タンパク質は同化と異化を繰り返すことでバランスを保たれている

同化:栄養摂取、筋収縮など
異化:空腹、ストレスなどが挙げられます
筋合成>筋分解のバランスにすることが大事だね
アミノ酸
- 全部で20種類
- 必須アミノ酸(EAA):9種類。体内で合成できないため食事から摂取する必要あり
- 非必須アミノ酸:11種類。体内で合成される


必須アミノ酸の中でもBCAA(Branched chain amino acid)、特にロイシンは今後知っておいて損はないかも!
アミノ酸スコア

- 必須アミノ酸を身体が必要とする割合で含まれている食品
- 理想的な割合を含む場合はアミノ酸スコア100となる
<アミノ酸スコア>
牛肉(100)、豚肉(100)、卵(100)、大豆(86)、精白米(65)、コラーゲン(0)など
BCAAについて
- EAAのうち35%を占める
- 食物タンパク質の必須アミノ酸の約50%占める
- ロイシン:骨格筋タンパク質合成刺激作用がある
- イソロイシン:糖(グルコース)の取り込みを促進
・運動前のBCAAの摂取(4~5g)は運動後の筋肉痛や筋疲労を軽減1)
・運動時に十分な運動効果を期待するためにはBCAA2g以上の摂取が必要2)
<BCAA含有量>
まぐろ赤身約8切れ(4.8g)、サンマ1匹(3.7g)、鶏胸肉(4.3g)、鶏もも肉(3.3g)、卵1個(2.6g)、納豆1パック(1.3g)、牛乳200ml(1.4g)、豆腐1/4(1.2g)

BCAA(特にロイシン)がタンパク質の合成に関与するからトレーニングする人にとっては積極的に摂取していきたいね!
運動前に摂取することで運動による筋タンパク質の分解を抑制します
摂取して30分後にピークになり2時間で元のレベルに戻るため運動時間やタイミングの調整が必要になってくるね
サプリメント(プロテイン)の摂取

- 筋肉タンパク質の合成速度をより高めてくれる
- タンパク質の種類(動物性や植物性)によってアミノ酸含有量が変わるため作用も異なる
- 一般的には動物性が必須アミノ酸(ロイシン)の含有量が高い
・ロイシン高配合のサプリ(3g)とホエイプロテイン(20g)は同等の効果を示す3⁾

食事が十分に摂れていたら1日1回の補給で十分
ビタミンB群(タンパク質をエネルギーに変換)の摂取も忘れずに!
<ビタミンB群>
B1:玄米、大豆製品、豚肉、ハム、たらこなど
B2:牛乳、チーズ、レバー、サバ、納豆、きのこ類など
B6:鶏肉、魚類、豆類、ナッツ、バナナなど

ビタミンについては次の投稿で紹介します。
必要タンパク質摂取量
- 若年者は1回の食事で1kgあたり0.24gを超えるタンパク質摂取が必要4)
- 高齢者は1回の食事で1kgあたり0.4gを超えるタンパク質摂取が必要
- 「日本人の食事摂取基準2020版」では、たんぱく質の1日の摂取推奨量は成人男性65g(65歳以上は60g)、成人女性50g(標準体重の場合)
- 60kgの場合:1食14.4gは必要
- 1度にタンパク質を過剰摂取しても過剰分は代謝されるのみ

日本人は朝食<昼食<夕食でタンパク質摂取量が偏る傾向になっており、この傾向は逆に骨格筋量を減らしてしまう要因の1つになります。
昼食と夕食は十分に摂れているため、朝食のタンパク質を意識すれば自然とそうタンパク質摂取量は増えていくよ。
「糖」との組み合わせ
糖の摂取

- インスリン:タンパク質同化作用や血中グルコースを筋細胞内へ取り込む作用
- グルコース:運動や筋肉タンパク質合成に必要なエネルギー源として利用

タンパク質摂取と同時に糖分を摂取することでタンパク質合成をより促進させることができます。
エネルギー代謝やグルコースの取り込みなど間接的に筋肉タンパク質合成を補助する役割があるね。
まとめ
今回のまとめは以下の通りです.
- タンパク質(特にBCAA)を効果的に摂取することで合成>分解のバランスに傾ける
- 運動前にBCAAを摂取することで筋疲労や筋肉痛、筋タンパク質の分解を抑制
- 糖を同時に摂取することでより運動の効果を高めることが期待
タンパク質は筋肉の成長のためには一番欠かせない存在です.
筋トレ前後でプロテインを飲む人は多いと思います.
1日の中で3食のバランスを整えた上で、タンパク質摂取量を増やしていきましょう.

間食がある人は間食量も考慮していきたいね
タンパク質の中でも必須アミノ酸(ロイシン)の含有量をチェックしていこう!
ご覧いただき、ありがとうございました。
ご意見や投稿してほしいことの依頼等いつでもお待ちしております。
参考文献
1)Shimomura Y, Yamamoto Y, Bajotto G, Sato J,Murakami T, Shimomura N, Kobayashi H, Mawatari K(2006)Nutraceutical effects of branched-chain amino acids on skeletal muscle.J Nutr 136: 529S-32S
2)濱田広一郎, 木場孝繁, 桜井政夫, 松元圭太郎, 早瀬秀樹:分岐鎖アミノ酸飲料の単回摂取に対する血中分岐鎖アミノ酸応答, 日本臨床栄養学会誌,27(1):1-10,2005
3)Wilknson DJ et al: Effects of leucine-enriched essential amino acid and whey protein bolus dosing upon skeletal muscle protein synthesis at rest and after exercise in older women. Clin Nutr 37(6 Pt A):2011-2021,2018
4)Jun Y, Mai A, Takuma A, Satoshi F:Association of Protein Intake in Three Meals with Muscle Mass in Healthy Young Subjects: A Cross-Sectional Study. Nutr 11(3), 612,2019